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けいやく
第5章 覚醒。


『紅茶で よろしいかしら』

『あっ、お構いなく』


そう言い、幸さんは キッチンへ 行ってしまう。

仕方がないので ソファーに 腰掛け待つ。

程なくして トレーに 紅茶と お茶請けを運んで、私の向かえに 腰を掛ける。


『どうぞ』

『いただきます』


幸さんは ニコニコしながら お茶を 勧める。

第一印象が 良くなかったので 構えてしまう。


『そんなに 警戒されると 困るわ』


愉しげに 声を出して 笑われる。


『そう言われましても。。。』


苦笑で 対応する。


『今は お躰の方は』

『先程 お医者様から ほぼ再発の可能はないだろうと 言われました』

『それは 良かったですわ
川瀬さんにも 貴女にも
そして、私達の為にも』


幸さんが 何を 思って言っているのか 解らない。
そう言い 笑っている その笑が、悪戯に 妖に 満ちていて、体温が 急激に 低下するのを 感じた。



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