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獣日和
第2章 ベッド上での甘い罠

……しかし、樹の腕がそれを許さなかった。
ふみの腕を引っ張り、ベッドに押し倒すと、ニヤリと微笑む。
「ふみ、照れてんの? 俺達の事、意識した?」
「っ……!」
その言葉が図星であろうことは、上昇する体温と速まる鼓動が証明していた。
隠してもムダだということも、二人との距離が近いせいで思わざるを得ない。
……きっとこのドキドキも体温にも気付かれて、緊張していることなんてバレているかも……。だとしたら、嘘をついたって意味がない……。
「……ん、少しだけ……恥ずかしい、かも……」
ふみは照れて頷きながら、呟いた。
それが二人を豹変させてしまうスイッチだと、本人は全く気づいていなかった。
突然真剣な目をさせたかと思うと、隣からふみをウットリと見つめる桜太。
「……ソレ、やばいぐらい可愛いから。煽らないでくれる? ふみちゃん」
「えっ……? 桜太、何か言った?」
小声で聞き取れず、ふみは聞き返すも、今度は反対の方から樹が話し掛けてくる。
「……ふみ、大丈夫だからな。恥ずかしくねーから」
その言葉に疑問を抱きながら、樹の方へ顔を向けると。
「恥ずかしくない……? 何が……?」
樹から頬へ口付けられ、一瞬何が起きたのか信じられなかった。

