この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
獣日和
第2章 ベッド上での甘い罠
*
二人と一緒に暮らし始めて、一週間。
プロポーズが原因で二人との仲がぎこちなくなるかと心配していたが、あっという間に平和な時間が流れた。
プロポーズのことなどまるでなかったように、樹と桜太の態度は普段と変わらない。
そんな二人が住むこの部屋に住まわせてもらって良かったとさえ、ふみは次第と思うようになっていた。
……プロポーズなんて……やっぱり嘘だったのかも。
「もう寝るの? おやすみ、ふみちゃん」
「おやすみ、桜太」
時刻は22時を回り。ふみはリビングのソファに腰掛けて桜太とテレビを見ていたが、ゆっくりソファから立ち上がる。
桜太がソファに座ったままニコリと微笑み掛けてくると、つられて微笑み返す。
「ふみ、明日寝坊すんなよ。タイマーちゃんとつけるんだぞ」
「うん……樹」
ちょうど風呂上りの樹と鉢合わせると、タオルで髪を乾かす樹に対して、今にも閉じそうな目を瞬きさせながらこくんと頷いた。