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逆襲のフィメス
第14章 勃起堂々たる
 式典を終え、寄宿舎へ向かう道すがら、ラーナはソフィアに食って掛かっていた。

「お前な、女帝陛下に無礼だろう、アレは」

「あら、ラーナらしく物言いね。貴女が礼儀をどうこう言うなんて」

 ソフィアが顔色ひとつ変えずに言い返す。

 その通りだった。規律を重んじるソフィアと違って、ラーナは普段から自由気まま、やりたい事をやりたいようにする。教官たちからもさじを投げられているほどだ。

「っても、エニミス陛下だぞ! いくら俺でもあんな……」

 と、言いかけてラーナは言葉を途切れさせた。夕陽に頬を染め思いつめた表所のソフィアの横顔。

(こいつ……そこまで校長のことを……)

 ズキンと胸が痛む。

 ソフィアの眼に映っているのはいつだってクイーントリスだった。ラーナが何をしようとその瞳が自分へと向けられたことはなかった。

「……勝手にしろ!」

 胸のうちに秘めた感情を認めたくないばかりに、ラーナは話題を切り上げ、残る道のりは二人とも無言だった。
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