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逆襲のフィメス
第15章 優等生の自慰
 ソフィアにしても、クイーントリスにしても、これは今のフィメスとローメールの力関係を誇示してみせるための行為なのだと理解していた。

 カイオラルもまた、屈辱的なこの有様を前にしていっこうに動じた様子もない。

(将軍の息子だったとはな……文官だと言ってはいるが、確かにコイツには武人の気風があるよな)

 ラーナは昨日の出来事を思い返す。あのときソフィアが戻って来なければ自分はどうしていただろう。挑発に乗せられ、卑しい搾精女のごとく、カイオラルのものを口に含まされていただろうか。

 末席でおとなしく食事をしながらも、ついつい、ラーナの視線はカイオラルの丹精な顔立ちに吸い付いてしまうのだった。

 そして、もう一人。カイオラルを密かに見つめている者がいた。

 王女ンニスである。

 無表情でおし黙ったままではあったが、彼女の暗い瞳は、何かを思いつめているかのような色をたたえて、ずっとカイオラルに注がれたままだった。




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