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逆襲のフィメス
第16章 秘密の夜の姫
夜の王宮。
中庭の茂みの中に隠れて見張りの兵士の巡回をやり過ごし、カイオラルは最後の壁を一気によじ上った。
(情報によればこの上が王女の居室のはず……)
月明かりに照らされたバルコニーに体を持ち上げた所で背後に気配を感じ、ハッとして振り向く。
そこには裾の長い白の寝着を纏ったンニスがいた。
腰も覆わんばかりに長く伸ばした青色の髪。フィメスの女独特の気の強そうな雰囲気とはまるで違う気品。
そのンニスがバルコニーへとよじ登ったカイオラルをじっと見つめていた。
「……お待ちしておりました」
と、微笑んでンニス。
カイオラルも安堵の表情を浮かべて応える。
「見張りの配置はンニス様の教えて下さった通りでしたよ」
ンニスはうなずくと、カイオラルを部屋の中へと誘った。
「よくお越しくださいました……勇気がおありなのね」
「それを言うならばンニス様こそ。使者を寄越せなどと、女帝陛下にも秘密で書簡を出すとは……」
中庭の茂みの中に隠れて見張りの兵士の巡回をやり過ごし、カイオラルは最後の壁を一気によじ上った。
(情報によればこの上が王女の居室のはず……)
月明かりに照らされたバルコニーに体を持ち上げた所で背後に気配を感じ、ハッとして振り向く。
そこには裾の長い白の寝着を纏ったンニスがいた。
腰も覆わんばかりに長く伸ばした青色の髪。フィメスの女独特の気の強そうな雰囲気とはまるで違う気品。
そのンニスがバルコニーへとよじ登ったカイオラルをじっと見つめていた。
「……お待ちしておりました」
と、微笑んでンニス。
カイオラルも安堵の表情を浮かべて応える。
「見張りの配置はンニス様の教えて下さった通りでしたよ」
ンニスはうなずくと、カイオラルを部屋の中へと誘った。
「よくお越しくださいました……勇気がおありなのね」
「それを言うならばンニス様こそ。使者を寄越せなどと、女帝陛下にも秘密で書簡を出すとは……」