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逆襲のフィメス
第20章 目覚めたらそこに
 圧倒的拝領感。
 与えられる。授けられる。伏して頂く。奴隷の栄誉。褒美、それはまさにそれだった。

「イクッ……ご主人様の精子が愛おしすぎて……牝奴隷ラーナは……アアアアッ……溶け……イクゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥウウウウウウウウウウウウウウウウウッ! ご主人様ああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」

 男の下にねじ伏せられたその格好で、喜びの痙攣に尻を揺すりながら、牝奴隷の快楽にラーナは堕ちた。

 それから一日中、そうやって繰り返し何度も教え込まれ、その身に、肌に、胎内に、憶え込まされ、刻み込まれ、ラーナは何度も何度も果てた。

 狂者のように誠実に、聖者のように淫らに、怒れる者のように従順に、カイオラルを求め、貪り、悦び、悦ばせることを学んだ。

 終わることのない世界のような……あるいは、それは本当に永遠だったのかもしれない。二人だけが存在し、二人だけしか必要のない宇宙。

 その中で、ラーナはカイオラルで、カイオラルはラーナで。奴隷と主人は渾然一体となった原初のひとつであり、父であり母であった。

 荒れ狂う海のように、波高い頂きへと導かれ、ラーナは何度も差し出し、何度も求めた。

 めくるめくような悠久なる一瞬が過ぎ去り、ふとラーナが意識を取り戻した時、半身だった存在は傍らにはおらず、ただ朝陽の差しこむ白い寝台の上に、赤い宝石の嵌った指輪だけがポツンと置かれていた。

 残された。
 また逢おうとは、言われることなく。

 圧倒的な孤独というものをラーナは知った。






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