この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
逆襲のフィメス
第21章 白百合黒百合
辺境の地のフィメス兵士たちは精夜祭に熱を入れ、妊娠して配転することを望む。
そんな中、恋人も作らずに任務に邁進したラーナは、五年で砦の指揮官にまで上り詰めていた。
一方、願いが叶って将軍の書記官となったソフィアも、一途にクイーントリスを想い詰め、軍務に励んだ。それでもラーナほどの出世はなく、未だ下士官に留まる。
しかし、ソフィアにとって階級など問題ではなかった。彼女の想い人は振り向いてはくれなかった。
他に恋人がいるわけではない。ただひたすらにクイーントリスは国を愛し、そのために色恋などの入り込む余地がなかったのだ。
「だから……私にとってクイーントリス様との思い出は、あの卒業試験の日の……聖儀式の触れ合いだけ……」
ラーナの陣幕の長椅子に寝そべり、綿の沢山詰まったくつろげるクッションに頭を預けながら酒杯を片手にソフィアは語るのだった。
「触れ合い? なあ、触れ合いってどんな風なんだ?」
ラーナが尋ねる。
そんな中、恋人も作らずに任務に邁進したラーナは、五年で砦の指揮官にまで上り詰めていた。
一方、願いが叶って将軍の書記官となったソフィアも、一途にクイーントリスを想い詰め、軍務に励んだ。それでもラーナほどの出世はなく、未だ下士官に留まる。
しかし、ソフィアにとって階級など問題ではなかった。彼女の想い人は振り向いてはくれなかった。
他に恋人がいるわけではない。ただひたすらにクイーントリスは国を愛し、そのために色恋などの入り込む余地がなかったのだ。
「だから……私にとってクイーントリス様との思い出は、あの卒業試験の日の……聖儀式の触れ合いだけ……」
ラーナの陣幕の長椅子に寝そべり、綿の沢山詰まったくつろげるクッションに頭を預けながら酒杯を片手にソフィアは語るのだった。
「触れ合い? なあ、触れ合いってどんな風なんだ?」
ラーナが尋ねる。