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逆襲のフィメス
第5章 暴かれし秘肉
 ばしゃあっ!

 手桶の冷たい水が浴びせかけられ、奴隷たちが目覚めさせられていく。

 まだ薄闇の余韻が残る奴隷居住舎。

 手枷足枷を通る縄で数珠つなぎにされた憐れな身の上となった現実に、夢の中から立ちかえるときの絶望の表情を眺めて、一人のフィメス兵士がサディスティクな笑みを浮かべる。

「たまんないわぁ……特に、捕まって迎える最初の朝は格別なのよね」

 他の兵士と比べるとやや小柄で、髪のまとめかたもフワリと女っぽく、大きな瞳も愛くるしい顔立ちだったが、どうやら外見は性格を表してはいないようだった。

 うっとりと発せられたその嗜虐的な恍惚の呟きに、すぐ隣で手桶の水を切っていたもう一人の兵士が反応する。

「なにがたまんねぇんだ? そりゃ、ちょっとは遅れがあるかもしれねーけど、中央に送る分のザーメンなら、もう充分貯まってるだろ?」

 こちらは、背が高く浅黒い肌。ややスレンダーではあるが戦闘向きの体格をしていて、他民族が思い浮かべるフィメス女のイメージに近い。青みがかったグレーの髪を兵士らしい短髪に刈り上げており、精悍な顔つきだ。

 二人はどちらもラーナの部下であり、背が低い方は名をキーラ、そして高い方はラフィンといった。
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