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ただ一つの一対
第5章 花園の鍵は
 
 胎に感じる、菊が放った熱。一人では指すら受け入れられなかったそこは、菊を満足させられたのだ。ほっとすると同時に、ますます愛しさが溢れた。

「なんだか不思議。こんなにおっきいの、ちゃんと入るんだね」

 体を起こすと、菖蒲は菊の陰茎を眺め、触れてみる。萎んだ状態でも大きいそれが、菖蒲を貫いたのだ。異性の体を見る機会など初めてで、好奇心も混じる。菖蒲が筋をなぞっていると、それは段々固さを増してきた。

「菖蒲……わざとやっているんですか?」

 菊は熱い溜め息を漏らし、シーツを掴む。

「ごめんなさい、別にそんなつもりじゃなかったの。ただ、男の人の体って不思議だな、って思って」

 菖蒲が手を引けば、菊はそれを掴んで股間に戻した。

「逃げないで責任を取りなさい。あなたは気軽に僕を触りますが、そんな時男がどんな気持ちになるか、覚えた方がいい」

「だから、わざとじゃないって!」

「言い訳は無用です。ほら、男の体がどんな風に達するか、気になるでしょう?」

 菊は菖蒲の手ごと陰茎を扱いていく。熱いそれはみるみるうちにそり勃ち、先から粘液を漏らす。
 
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