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ただ一つの一対
第6章 夢の終わり
菊は色狂いと化した美和子を強引に引き剥がすと、なお肉棒に縋ろうとする美和子へ馬乗りになって押さえる。
「あっ、止めないで……もっと、私を壊して!」
「その前に一つ、確認したい事があります」
菊は、美和子の割れ目を陰茎でなぞりながら訊ねる。
「あなたは僕の子を孕んだら……堕胎せず産むと誓えますか?」
憎い男の子を産む。それは美和子にとって屈辱である。本当に孕むかどうかは別として、ここで誓えば、完全に菊の手玉に取られた証である。美和子が復讐を望むなら、ここは意地でも頷いてはならない。頷いてしまえば、いくら後から憎いと恨み節を語っても、所詮は手の内になってしまうのだから。
だが、美和子の胸に湧いてきたのは、喜びだった。美和子に子を産めと命じたのは、菊が初めてだったのだ。それが愛情ではなく策略だと理性では分かっていても、大事にされていると錯覚してしまった。
「若の精子を……私にください。孕むまで、犯して……」
突き入れられた陰茎に、美和子は狂い鳴く。いつか産めなくなる体になるなら、この男の精子を浴びて廃棄されたい。女の本能は、そう叫び菊を引き込んだ。