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第3章 魅惑のご褒美 Ⅲ

『ママ、しぃね、おいしゃさんになりたいの』

『あら、凄いじゃない。
ママもね、お医者さんになりたかったのよ。
でもママはその夢を叶えることが出来なかった。

椎奈は叶うといいわね。
ママも見たいわ、お医者さんになった椎奈』

『うん！
しぃがおいしゃさんになって
ママのゆめもかなえてあげるよ！』



小さい頃の私がキラキラした眼差しで
夢を語る。
そして今の私に向かってきっと言うんだ………





「まだ、間に合うよ」




聡からもそう言われて
自分の隠し続けてた気持ちを再確認する。