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身代わり愛
第3章 サイカイ
昨日着ていたスーツを纏い、ホテルを後にした。すでに日は高く上がっていて、いつもより暖かく感じた。
「よし、じゃああそこ行ってみる?」
「うん!」
お互い笑い合える。
それだけで幸せだった。
普通に考えたらおかしいのはわかってる。だって、ただのセフレに過ぎない。
でも、あたしはもう彼を好きになっていた。
心のちょっとだけだって思っているのに、いつの間にか外されてはいけない存在になっていた。元彼に今会ったらどんな風に言われるんだろうね。
なんか、心が痛い…。
「桜?」
「……あっ、ごめんね」
洋服を持って不思議そうな顔をする彼。
やっぱり、あたしが夢見すぎなだけなのかな…。
「これどう?」
「いやいや!あたし足なんか…」
彼が持っていたのは、花柄の黄色のミニスカート。
「全然、似合うよ?…すみませーん!」
「はぁい!ご試着でしょか?」
「え、ああ…こ、こんなの着たことないよぉぉ…」
定員さんに連れて行かれたあたしは試着室に放り込まれた。