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ガラスの靴がはけなくても
第6章 年下の男の子
――――ダメだ。
「ね、眠い……」
三月に入り年度末と言うことで忙しくて連日の残業。
周りを見渡しても朝からお疲れの様子でみんなどこか覇気がない。
残業が深夜になることは滅多にないけど、業務の忙しさからか金曜日となると疲れも溜まってくる。
今のところ休日出勤がないだけまだマシだけど。
「おはようございます!朝から疲れた顔して大丈夫ですか?」
「おはよう。大丈夫大丈夫。ちょっと眠いだけ」
相変わらず爽やかだねキミは。
ビシッと背筋を伸ばして、朝から眩しいキラキラ笑顔に向き合う。
「どうしたの?うちに用事?」
同じフロア内にあるうちの企画部と澤村くんの所属する営業部。
毎日顔を合わせると言えば合わせるけど、用事がない限り直接話すことはあまりない。
「今日の夜、予約しとこうと思って」
「え?予約?」
「はい。藤野さんを予約させて下さい」