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ガラスの靴がはけなくても
第6章 年下の男の子
「あー今日は……」
「ダメ」
トンと、私のデスクに手を置き間合いを詰める。
ちょ、ちょっと。ちょっとばかし近いんじゃないですか?
周りの様子が気になって仕方ない。
ただでさえ目立つ彼なのに。
椅子に座ったままの私は、自然と立ってる澤村くんを見上げる形になる。
少し腰を屈めて覗き込んでる来るのは爽やかな笑顔。だけど、爽やかだけじゃなくて、強引さを混ぜてくるから戸惑う。
「今日は逃がしませんよ?」
「に、逃げてなんかないよ。やだな、もう」
「へぇ。じゃあ、俺避けられてたんですか?メールしても、電話しても上手いこと間を空けて連絡返してくれますもんね」
「……そんなことないってば」
やだ。何なの。
朝から冷や汗出て来るんですけど。
絶対私の笑顔ぎこちない。
そんな私に気付いてるはずなのに、
「遅くなっても待ってます。飯食いに付き合って下さい。では、今から外回りなんでいってきます」
爽やかなままでそう言い切り立ち去る。
あれ?
……私返事したっけ?