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第9章 彼の秘密

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目を覚ますと、目の前には愛しい人の横顔。



「おはよう」


「おはよう、ございます…」



私の動きで起きたのか、目を擦りながらいつもより掠れた声であいさつをくれた。
だんだんと頭が働いてくると、この状況に恥ずかしくなって枕に顔を埋めた。

私、昨日部長と…！

裸のまま抱き合ってそのまま寝てしまったから、勿論、衣服は纏ってない。
私の右側は直接に部長の体温を感じてる。


頭が冴えれば冴えるほどに、心臓の音も加速してく。
朝から心臓に悪いよ。いつになれば私の心臓は部長に慣れてくれるんだろう。



「今何時？」


「12時過ぎたくらいです」


「寝過ぎたかな」


「そんなことないですよ。寝たの朝方だったし」


「そうだな」



まだ眠そうに目を瞑ったまま。そんな問いかけをしながらも首の下に腕を回して引き寄せてくるもんだから、さらにドキドキしてしまう。

……あぁ、もう慣れなくてもいいや。