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ガラスの靴がはけなくても
第3章 理性と本能
だだっ広いリビング。
片付いていると言うよりは物がが少なくて寂しい印象。全く見覚えのないこの部屋。
私がいるのはソファーで。
ちょっと待って。
嘘…!!
慌てて起き上がり、自分を見てみるが衣服の乱れは特に見られない。
ホッとしたのも束の間、状況が悪いことに変わりはないのに気付く。
お酒は弱くない、はず。
なのにこの醜態。
て言うかまず、ここ誰の家…?
まさか……
「澤村君の家…?」
「何が"澤村君の家"だバカ!」
「いった…!」
ゴツンと固いモノで頭を打たれる。
振り返らずとも声の主はよく知っている人のモノで。
「ぶちょ…」
おもむろに後ろを振り返ると、髪を濡らし明らかに風呂上がりのセクシーな…いや、鬼の様な顔をした部長様が私を見下ろしていた。