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ガラスの靴がはけなくても
第3章 理性と本能

「飲む飲まないはお前の自由だ。だけど、飲み方を考えろ。いい大人がそんな飲み方するんじゃない」


「…はい。おっしゃる通りです」


ソファーで偉そうに長い足を組み座る部長の足元に、小さくなって正座する情けない私。

うぅ…。
でも酔いが覚めてないせいかフラフラする。


短いため息が聞こえたかと思うと、さっき頭を打たれたミネラルウォーターを手に渡される。



「岡崎も心配してたぞ。後で連絡入れとけ」


「はい」


ポンと頭を叩くと苦笑いを浮かべた部長。


「まぁ、あいつも相当酔ってたけどな。宏樹が迎えに来てたから大丈夫だろ」


帰るときに香織さん挨拶したっけ?それすらも覚えてない。
せっかく私の為にと皆を集めてくれたのに、心配までかけてしまって……本当に後でしっかり香織さんにお詫びをしよう。



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