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ガラスの靴がはけなくても
第3章 理性と本能

体を引き寄せられて完全に部長の上に乗せられた。
離そうと肩を押すけど、酔っているのかいつもの様に力が出ない。
当たり前にビクともしず、離すどころか更に強い力で抱き込まれて体は近寄るばかり。

眉間の力を緩めたと思ったら、笑みを浮かべる部長。


「そうだな。俺には関係ない」


クラクラするのはお酒のせい?
それとも……。



「だけど俺には権利がある」


「ぶ、ちょ……」


「忘れさせてやるのは俺だげで十分だ」



そんな理解し難いことを言われて憤りを感じつつも、何も言い返せない。

顎を掴まれ親指で下唇をなぞられる。
ゆっくりと押し当てられる指に私の唇は熱くなっていく。



「酒臭い」



そんな言葉の後、唇を奪われた。


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