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ガラスの靴がはけなくても
第1章 眠れぬ夜
「ん~…ん…?」
「おっ!目ぇ覚めたか?」
気が付くと会社の医務室に横になっていた私。
ずしりと石が乗ったように、頭と体が重い。
狭い医務室には薬品棚と机と椅子、ベッドが一台だけ。
勿論ベッドにいるのが私で、椅子に腰掛けているのが桐谷部長で……
って!!!
「ぶっ…!?部長っ!!」
何で!?
どうして!?
医務室にいることにも理解出来ないけど、桐谷部長がここにいることも理解出来ない!
慌てて飛び起きた私に、笑いを堪える部長が目に入った。
「いきなり倒れたんだよ。それでここまで運んで来た。今は元気そうだけど、大丈夫なのか?」
そう言うと、歩いて来た部長は私のいるベッドに腰を下ろし、顔色を確める様に覗き込む。
「…も、」
「も?」
「申し訳ありませんでしたっ!」