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僕も安産できるでしょうか?
第2章 出る。
いよいよ、いきむ段階。
「くぅーっ」
 僕は渾身の力をこめた。ぐちゅ、ちゅっと音がするのは、体液が漏れてるから。力を入れるたびにアソコが痛い。
「あんんっ」
 痛くて、いきみきれなくて瞳が濡れた。
「レツヤ、大人になるんでしょ。がんばらなきゃ」
 勃起して張りつめた性器を強く握って、フユキがいう。生まないとイカセてくれない気かも。
「う…ん」
 僕はもう一度挑む。
 ぐぷぷ、と音がして何かが粘膜を破った。
「ふああああっ」
 ずちゃ、と大きく裂けたみたいだけど、やめるわけにいかなくて。
 僕は泣きながら歯を食いしばり、痛みに耐えて繰り返しいきんだ。
「うぅ、うっぅ、ふぉおおおっ」
 やがて頭が出たとき、めったに出さないような声を聴かれたけど、フユキは引いたりしないで、抱きしめてくれていた。 
 べちゃ、と生み出されたものが床に落ちた瞬間、性器の拘束も解かれて絶頂に達する。
 僕は気絶しそうになったけどしないで、後処理を呆然と受けた。
 生まれた塊は産声を上げている。
「これどうする?」
 フユキに聴かれ、「捨てる」と言おうとした僕は、なぜか「育てる」と答えていた。
「えっ」
 想定外だったらしい。
「だって、フユキと僕の、子だから」
 こんな気持ち、どうして芽生えたかしらないけど愛しい。
 せっかく成人したのに僕は一族追放だ。
 子育てはしないのがアークルだから。
「しょうがない乙女だな、レツヤは」
 フユキは戸惑ったあとに笑って、子どもと僕を抱いてくれた。
 僕たちはきっと、新しい何かになれる。
 痛みも忘れ、僕は彼の胸に身をゆだねていた。


終わり
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