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再愛
第2章 君と刻んだ時
「博物館、一緒に行けて良かった」

丁度、古代遺跡と恐竜展が開催されていて、蛍が行きたいと言っていたから、二度目のデートに誘う口実にしたんだよなぁ…

「うん」

「哲朗さんと行きたかった」

「あぁ、俺、そういう系好きだよ」

「古代の神秘に憧れちゃうわ。
恐竜が好きなの。
なぜか分からないけど、小さな頃から。
図鑑とかよく見ていたわ」

「へぇー」

「何で、滅びたか?
って、いろんな説があるわ。
隕石が落ちただの、氷河期がきたからだの。
でもね、便秘説もあるのよ」

「マジ?」

「マジです。
草木がなくなって、恐竜が便秘になって死んでいった説」

「嘘っぽい」

「隕石も氷河期も、実際には、確証ないわけじゃない。
なら、いろんな説があっても面白いわ」

「まぁね」

「私が解明したかった」

「えっ?」

「もっと頭が良かったら、考古学を勉強して、世界中の恐竜の発掘をして、謎を解明する研究をするわ。
地味に、ずっと掘り続けるの。
そしたら、無意味なものに興味を持たなくなるわ」

「意外な事、言うんだな」

「頭が悪かったから、今の人生が巡ったのよ。
今を生きる為に、這い蹲る人生がね」


蛍は、言葉に重みのある女だった。

簡単に言えば、
『今を満足してません』
とでも言いたかったのだろう…

不思議ちゃんぽいところも、また彼女の魅力だった。
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