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再愛
第6章 再愛
上野の不忍池口で、お互いを確認して名前を呼び合った。

「なっちゃん」

「哲朗さん」

あなたの言う通り、二人の距離はグッと近づいた。

ハンバーガーショツプで、好きなものを頼み、ポテトを半分こにして、笑顔でランチを食べた。

偽りの関係だという事を忘れてしまうくらい、自然に打ち解けていった。


「多分、出会った頃から惹かれ合っていたんだ。
夏海が、美味そうにアボガドバーガーを食べている顔に、一目惚れしたんだな。
無防備に大きな口を開けて、レタスが溢れると、恥ずかしそうにしたり…それでも食べる夏海。
飾り気のない、夏海の笑顔が可愛かった」


後々、あなたが照れ臭そうに言ったのよ。

私はね…走ってきたあなたを瞳がキャッチした瞬間から、心奪われたの。

でも、言わないよ。

どっちが先に惚れたとかじゃないものね。

私達は歪んだ関係だったけど、惹かれ合った事実は、本物だった。
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