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アホはお前じゃ 
第2章   
 そうです。
 あれは1年前のことですよね。
 2015年の6月・・・。


 6月の何日だったでしょうか?
 そこまでは覚えていません。
 けれどもあの日の、あの晩。




 綾香ちゃんも、よく知ってるでしょう?
 覚えているでしょう?


 
 大基は私に通帳を差し出しました。
 預金残高は300万円ほどありました。
 目を丸くする私に大基は、「これをくれてやるからもう俺を許してくれ」と言いました。




 あなたたちのことはもちろん、頭では、理屈では全部分かっています。




 綾香ちゃんはただ単純に、大基のことを可哀想だと思って、もしかしたら、救いたかっただけなのかも知れませんね。



 大基も大基で、同じことだったのかも知れません。



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