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嫌なのに……
第7章 東京
亜海…20歳
あの忌まわしい出来事から、亜海は暫く外に出ることが出来なかった。
また何処かで誠に出会ってしまうのではないか…
また、酷いことをされるのではないか…
だが引き籠る亜海に理由を問いただす家族に何も話せない事の方が辛くなった。
誰にも言えない…家族には知られたくはない。
信じられないような体験…
隠し続けるには、普段通りに振る舞うしかなかった。
勇気と気力を振り絞って、亜海は高校に復帰した。
通学中、誠の影に脅えながら…
だが、誠が亜海の前に現れることはなかった。
それでもこの街の何処かにあの男がいる…
そう思うだけで心が休まらなかった。
卒業と同時に東京の会社に就職を決め、逃げ出すように故郷を飛び出したのだったーーーー