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嫌なのに……
第8章 通勤電車

どうやって帰ってきたのか、よく覚えてなかった。
マンションの自室に駆け込むと、部屋の真ん中で体を抱え座り込む。

2年かけて封印しかけた記憶が甦ってしまった。

軽くお尻を触られただけなのに…
僅かに体が火照っている…

あれから自慰行為もしていなかった。
完全に消したと思っていた女の炎が、再び燃え出すのを感じて亜海は泣いた。



容赦なく朝はやってくる。
社会人として、痴漢にあったから…なんて理由で休む事など出来ない。

早く出れば電車もそんなに混んではないかもしれない…

そう考えた亜海は更に1時間早く、ひとりマンションを後にした。







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