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嫌なのに……
第9章 最終電車
「…もうそろ、終点ですね。」
さすがに意識が朦朧としてきた亜海の耳にそんな言葉が聞こえた。
狂った宴の、終焉の合図だった。
途中下車した者もいるようで、人数は減っていたが亜海は気づく余裕もなかった。
男達は亜海を座席に座らせると、用意してあった濡れタオルで丁寧に体を拭きだした。
あらかた精液を拭き取ると、慣れた手つきで服を着せ靴を履かせる。
てっきり打ち捨てられると思っていた亜海は、この扱いに戸惑いを覚えた。
だがこれまでの仕打ちを考えるとありがとうと言うのも可笑しな話である。
混乱しながも人形のようにされるがままにしていた。
身なりが整うのと終着駅に到着するのはほぼ同時だった。
「さあ、行きましょうか。」
行く?何処へ?
痴漢とは思えない程の紳士風な男が亜海の肩を抱いて歩きだした。