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嫌なのに……
第9章 最終電車
ホームに降り立った時、亜海はちらりと時計を見た。
一晩中犯されていた気がしていたが、亜海が電車に乗り込んでから2時間程しか経っていない。
体は疲れ足もふらつくが、完全には消耗し切ってはいない。
意外な事実に少し驚いた。
同じ車両から降りた数人は素知らぬ顔で足早に駅から出て行く。
そんな後ろ姿をボンヤリ眺めていると、さっきまでの出来事が夢だったのかと錯覚してしまう。
だが下半身に僅かに走る鈍い痛みにそうではないと思い知らされた。
今、亜海を囲っているのは4人だけだった。
20代半ばの若い男と中高年ふたり。
亜海の体を支える紳士風の男。
どれもスーツをきちんと着こなして、卑劣な痴漢などしなさそうな風貌にゾッとする。
この人達…どうするつもりなの…?
まだまともに歩けない亜海は、男に身を預けて付いて行くしかなかったのだ……