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嫌なのに……
第5章 花狩り
山小屋から1ヶ月程過ぎていた。
あれからバスには気をつけていた。
あの小太りの男も、二度と見かけることもなかった。
平和な毎日が流れて行く。
だが亜海はぼんやりとすることが多く、溜め息をつく。
そんなとき脳裏に浮かぶのは、誠の笑顔だった。
もしかして初恋…?
亜海自身、分からなかった。
また、会いたいな……
あの小屋へ行けば…つい、バスを乗り過ごしかけた事もあった。
夜、誠を思い浮かべ、火照る身体に手を滑らす事も……
あの人になら…私、抱かれても……
そんな事を思うと、恥ずかしくて切なくて。
枕に顔を埋めて眠る夜も。
亜海の遅く幼い恋の花が、咲こうとしていた…