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嫌なのに……
第5章 花狩り
日曜の朝。
亜海はマンションの前に立っていた。
誠との約束は10時…後10分ほどだ。
何度もマンションの入り口のガラスに姿を映して身なりを確認する。
おかしくないかな?
誠さん、何て言うかな……
ドキドキしながらもう一度ガラスの中の自分をチェックしていると、プップーと車のクラクションが聞こえた。
「へえ…これは……」
誠は初めて見る亜海の私服に、眩しそうに目を細めた。
白のミニワンピースにアイボリーのファーのボレロ。
胸元のリボンは淡いピンクで、化粧を持たない亜海はピンクのリップを付けているが、それと相まって雪の中に咲く小さな花のようだ。
スカートから伸びるすらりとした足の先の白い靴にも、リボンが付いていて愛らしい。
誠に見つめられて、亜海は恥ずかしくて俯いた。