この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
写性 …SHASEI…
第9章 朝顔
夕方、もう一度朝顔を見にきたが、まだ綺麗に開いていた。

「不思議だね。」

「朝顔じゃないんだよ。」

「そんなことはないはずだけど…」

「お父様、早くご飯の支度しよう?」

沙絵に手を引かれて屋敷に戻った。



お父様が絵を描くのを見るのが好きだった。

お父様は描くものを大事そうに見て紙を見る。
何もないところに素敵に描き写されていくのを見るのが好き。

お父様が描くものを見る顔を見るのが好きだった。


でも私は絵を描いて楽しいとは思わない。

真っ白な紙、何もない世界、それが一番美しいと思った。

何もいらない。お父様だけがいればいい。

お父様が絵を描いているのは楽しそうだけど、自分で描いても全く楽しいと思えなかった。

夕方まで咲いているおかしな朝顔、私もおかしいのかもしれない。

お父様が好きなことが、好きと思えないなんて、おかしいんだ。

私が楽しんでいないことに気づくお父様が、悲しそうだった。

ごめんなさいお父様…

だから、一緒に絵を描いてみようと言われないようにした。


そして、朝顔も嫌いになった。夕方まで咲いて、『描いて』と誘ってくるようで、普通じゃないのは私も同じと言われているようで嫌だった。
/841ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ