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写性 …SHASEI…
第2章 生い立ち
「あ…あ…すみません。」


「ねぇ…会うことも、あなたが喋らなければ形に残らないわ。
命令よ…黙っていなさい。」

「あ…はい、わかりました。」


お父様は、窓から落ちるのではと気が動転していて、後になって尋ねても、私の発言は記憶にないらしい。

でも、この事件から、私はお父様と毎日内緒で会うことができるようになったのだ。



「沙絵は何で僕のことをお父様と呼ぶの?」

「だって、お祖母さまが、名付け親だって教えてくださったから…」

「でも、沙絵のお父様じゃないよ?」

「わかってる。でもお父様になるために毎日来てるんでしょう?」

「そうだよ。」

「私、お父様と一緒にいたいわ。」

「お祖父様に頑張って頼んでみるよ。」



沙絵と再会して数日後、お手伝いさんから、沙絵が寝込んでいるから会わせることが出来ないと断られる。

聞けば、沙絵は喘息持ちで、最近の花曇りで風邪をこじらせ寝込んでいると言う。

僕は持ってきた花を渡してもらうように頼んで帰る。

すぐさま喘息について調べる。
環境的には、空気の良い所がいいのと、気管支、循環器系を強くすること…

僕は沙絵との住まい探しを始めた。
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