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写性 …SHASEI…
第2章 生い立ち
呼びたいけど、大声を出したら、秘密にならない。

私は窓に手を掛けて片手を振る。

お父様が手紙を読み終えて、こちらを振り向いた。

お父様…

小さな声でお父様を呼んだ。

「沙絵っ、危ない。座って…」

え?何?

お父様が走って戻ってくる。

ピンポーンピンポーンピンポーン…

私はしゃがんで椅子から降りた。

ドンドンドン…

「沙絵が危ないっ
早く開けて…」

今日のお花を私に届けようと階段を上がるお手伝いさんが立ち止まる。

そして慌てて階段を降りていった。

ガチャッ…

「失礼しますっ…」

ダダダダダ…

凄い音で駆け上がってくる音がする。

私も急いで扉を開けた。

「沙絵っ」

開いた扉から入ってきたお父様が私を見つけて抱き上げた。

「お父様…」

「危ないよ沙絵っ
窓から落ちたらどうするんだ。」

「お父様?私は大丈夫よ。」

「危ないんだよ。」


ギュウゥゥゥ…

「痛いっ…お父様…痛いよぅ…」

初めての抱擁は、怒ったお父様は痛い…という感覚だった。

「あぁ…良かった。」

「お父様…会いたかった。」

お手伝いさんが後から上がってきた。

「だめです。」

「沙絵が窓から落ちたらどうするんですか…」
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