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写性 …SHASEI…
第11章 柊
曼珠沙華の花が終わり、葉が出てくるとお父様の様子は普通に戻っていった。

私を沙織と間違えなくなっていく。

「お父様、私がいるとお母様を思い出して苦しい?」

「そんなことはないよ。沙絵と一緒だから、僕は幸せなんだよ。」

こんな話も出来るようになった。

辛くても二人で一緒にいる。だって大好きだから…
それだけでいい、そう思った。

お父様にトランプを教わって一緒に遊ぶ。冬になると和室にこたつを置いてそこでトランプした。


「沙絵、何か欲しいものはある?」

誕生日の時、お父様と答えて困らせたのを思い出した。

「お父様、私、犬が欲しい。」

「沙絵、ごめんね。ペットは飼えないよ。喘息が出てしまうからね。

金魚とかはどう?」

「抱っこできないから嫌。」

沙絵の希望に答えたいが、抱っこできるペットで喘息を起こさないものはなかった。

クリスマスに向けてのプレゼントの希望をさりげなく聞こうと思ったのだけど…

屋敷にはTVを置いていない。外の世界があることを沙絵に知られたくないから…

パソコンで何か調べてみよう。
ペットを育てるゲームなどがある。
そうだ、パソコンをプレゼントにしよう。

こうして、沙絵が外との繋がりを持つツールを選んでしまった。
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