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写性 …SHASEI…
第12章 芍薬
「お父様、私が生まれるまでで楽しかったお母様とのお話をして欲しい。」
ケーキを食べながら思い切って聞いてみる。
お父様は、お母様のことを一番良く知っている人。
私もお母様のことを知りたい。
だから、お父様と一緒に暮らしたいと思っていたことを思い出していた。
お父様は驚いた顔をしたけどしばらく考えて、話始めた。
「そうだね。沙織が僕のところにきてしばらくして、お腹の赤ちゃん、つまり沙絵が、女の子だとわかってね。お母様は喜んで、編み物を始めたんだ。」
「編み物?」
「そう毛糸を編んで作るんだけど、沙絵に帽子を作るって、でも生まれるのは春だよって言ったんだ。
そしたらね。長く使えるものにしようって、
おくるみを編んだんだ。」
「おくるみ?」
「赤ちゃんを包むものだよ。
おくるみとして使わなくなっても、色々に使えるからって言ってね。
いつもいつも編んでいたよ。」
「ずっと使えるようにって、それどうなったの?」
「今でも使ってるじゃない。」
「どれ?なに?」
「毛布の衿カバー、沙絵の毛布にだけ、ピンクのカバーがついてるでしょう。
あれは沙織が編んだものだよ。」
「え…見たい。お父様、後で出して…」
ケーキを食べながら思い切って聞いてみる。
お父様は、お母様のことを一番良く知っている人。
私もお母様のことを知りたい。
だから、お父様と一緒に暮らしたいと思っていたことを思い出していた。
お父様は驚いた顔をしたけどしばらく考えて、話始めた。
「そうだね。沙織が僕のところにきてしばらくして、お腹の赤ちゃん、つまり沙絵が、女の子だとわかってね。お母様は喜んで、編み物を始めたんだ。」
「編み物?」
「そう毛糸を編んで作るんだけど、沙絵に帽子を作るって、でも生まれるのは春だよって言ったんだ。
そしたらね。長く使えるものにしようって、
おくるみを編んだんだ。」
「おくるみ?」
「赤ちゃんを包むものだよ。
おくるみとして使わなくなっても、色々に使えるからって言ってね。
いつもいつも編んでいたよ。」
「ずっと使えるようにって、それどうなったの?」
「今でも使ってるじゃない。」
「どれ?なに?」
「毛布の衿カバー、沙絵の毛布にだけ、ピンクのカバーがついてるでしょう。
あれは沙織が編んだものだよ。」
「え…見たい。お父様、後で出して…」