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写性 …SHASEI…
第12章 芍薬
「お父様、お母様との思い出、私がお腹にいてもう一度会った時じゃなくて、その前の時のお話をして欲しい。」
翌日、沙織を偲ぶと決めた日に沙絵が言った。
沙絵が母親のことを知りたがっている。僕は沙織との出会いを話すことにした。
「幼稚園から一緒だったんだ。バス停が一緒でね。
沙織はお祖母様にぴったりとくっついていたよ。
迎えのバスが来て、席につく。僕の隣に沙織は座ったけど、スカートをギュッと握りしめて、泣きそうなのを耐えていたんだ。
僕は沙織に言ったんだ。ずっと一緒にいるから、寂しくないよ。って、
泣きそうな顔が僕を見て、少し笑ったんだ。
好きだ。ずっと守りたい。そう思ったんだよ。」
「じゃあ、お父様は、お母様を一番最初に好きになって、ずっと好きだったの?」
「あ、そうだね。そんなこと意識したことなかったよ。
ずっと沙織のことを思ってて、それ以外のこと考えたことなかったな。」
「私も、お祖母様から、お父様の話を聞いて、毎日来てる人が、お父様だとわかって、お父様を窓から見た時、お父様を好きになったの。
お父様と一緒に暮らしたいって思ったの。」
翌日、沙織を偲ぶと決めた日に沙絵が言った。
沙絵が母親のことを知りたがっている。僕は沙織との出会いを話すことにした。
「幼稚園から一緒だったんだ。バス停が一緒でね。
沙織はお祖母様にぴったりとくっついていたよ。
迎えのバスが来て、席につく。僕の隣に沙織は座ったけど、スカートをギュッと握りしめて、泣きそうなのを耐えていたんだ。
僕は沙織に言ったんだ。ずっと一緒にいるから、寂しくないよ。って、
泣きそうな顔が僕を見て、少し笑ったんだ。
好きだ。ずっと守りたい。そう思ったんだよ。」
「じゃあ、お父様は、お母様を一番最初に好きになって、ずっと好きだったの?」
「あ、そうだね。そんなこと意識したことなかったよ。
ずっと沙織のことを思ってて、それ以外のこと考えたことなかったな。」
「私も、お祖母様から、お父様の話を聞いて、毎日来てる人が、お父様だとわかって、お父様を窓から見た時、お父様を好きになったの。
お父様と一緒に暮らしたいって思ったの。」