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写性 …SHASEI…
第13章 向日葵
同じように拡がっていくのだが、何故か黒が滲んで他の色を消していくように見えた。
「白はきれいね。」
「そうだね。色んな色にそまっていくね。」
「黒は上手くいかないわね。」
「そうだね。引き締まって見えるから、色を消してしまうね。」
「お父様、私、白が一番好き。それだけできれいだもの。
色を見てもお父様みたいに何か描きたいと思わないわ。」
絵に関心がないのか、嫌いなのか…
もっと深い心の問題なのか…
「ごめんなさい、お父様。」
「なんで謝るの?」
「お父様が好きなことを好きになれなくて…」
「謝ることないよ。」
「お父様の絵を見るのは好きなんだけどな。」
「ありがとう。
また描きたいと思う時があったら描けばいいよ。」
沙絵はコクリと頷き、申し訳なさそうに道具を片付けた。
「たまたま僕が絵を描くのが好きで仕事にしてるから、いつも絵を描いてるけど、
それぞれ好きなことは違うからね。
沙絵も色んなことにチャレンジして好きなことを見つければいいんだから…」
「うん、お父様、ありがと。」
結局これっきり、沙絵の絵の具セットが開かれることはなかった。
「白はきれいね。」
「そうだね。色んな色にそまっていくね。」
「黒は上手くいかないわね。」
「そうだね。引き締まって見えるから、色を消してしまうね。」
「お父様、私、白が一番好き。それだけできれいだもの。
色を見てもお父様みたいに何か描きたいと思わないわ。」
絵に関心がないのか、嫌いなのか…
もっと深い心の問題なのか…
「ごめんなさい、お父様。」
「なんで謝るの?」
「お父様が好きなことを好きになれなくて…」
「謝ることないよ。」
「お父様の絵を見るのは好きなんだけどな。」
「ありがとう。
また描きたいと思う時があったら描けばいいよ。」
沙絵はコクリと頷き、申し訳なさそうに道具を片付けた。
「たまたま僕が絵を描くのが好きで仕事にしてるから、いつも絵を描いてるけど、
それぞれ好きなことは違うからね。
沙絵も色んなことにチャレンジして好きなことを見つければいいんだから…」
「うん、お父様、ありがと。」
結局これっきり、沙絵の絵の具セットが開かれることはなかった。