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写性 …SHASEI…
第15章 沈丁花
沈丁花も金木犀のように小花をつけ、香りを放つ。

花は蝋細工のような艶を持ち、やはり造花のようである。

だが、その香りは清々しく近くを通ると僅かに香るくらいだ。

数えで七つになる沙絵の七五三の支度をする。
沙絵には赤が良く似合う。
赤い地に、花と白い蝶の模様の映える着物を選んだ。

「お父様、今日は何のお祝い?」

白い着物しか知らない沙絵は、可愛らしい赤の着物をきせられ何事かと思ったようだ。

「今日は七五三のお祝いだよ。」

「それなぁに?」

「女の子は3歳と7歳、男の子は5歳になること、無事にそこまで大きくなれたことを祝うんだよ。」

「私、まだ6歳だよ。」

「数え歳といってね。一つ早めにお祝いするんだよ。」

「それで何をするの?」

「記念写真を撮ろうと思って写真やさんを呼んだんだ。」

「ふうん。」

ピンポーン…

「ほら、来たよ。」

女の人と男の人が玄関にくる。

「あら、こんにちは、可愛らしい、沙絵ちゃんよろしくね。」

何の匂いだろう女の人からきつい匂いがする。
いい匂いと思っているのだろうけど、匂いが強すぎる。

私は口で息をするようにした。
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