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写性 …SHASEI…
第18章 日常
「それで?」
「部屋から赤ちゃんの、沙絵の泣き声が聞こえてね。生まれたんだってわかった途端に、部屋が開いて中に連れて行かれたんだ。
沙織に呼吸の為の管や、心臓の動きを見る機械がつけられていて、びっくりした。
沙織が呼吸をする機械を外して、『この子をよろしくね。』って、苦しいはずなのに、綺麗に笑って言ったんだ。そのまま、本当に眠るように息を引き取ってしまった。沙織と沙絵を抱き締めたんだよ。」
「その後、私はどうなったの?」
「僕が抱っこ出来たのはその時の一度だけ…
沙織と結婚していなかったから後は許されず、生まれたばかりの赤ちゃんがいるお部屋に入っていって…
僕はガラス越しに見るしかできなかったんだ。」
「そうだったのね。」
「だから、届け出をして早く沙絵のお父さんにならなきゃってね。
でも、お祖父様に許してもらえず。病院からお祖父様とお祖母様に連れられて沙絵は退院したんだよ。」
沙絵は泣いていた。どう慰めたらいいのかわからなくて、優しく抱き締めた。
「私、生まれてきて良かったのかなぁ…」
「いいに決まってるでしょう。沙絵が生まれてくるのを僕も沙織も楽しみにしていたんだから…」
「部屋から赤ちゃんの、沙絵の泣き声が聞こえてね。生まれたんだってわかった途端に、部屋が開いて中に連れて行かれたんだ。
沙織に呼吸の為の管や、心臓の動きを見る機械がつけられていて、びっくりした。
沙織が呼吸をする機械を外して、『この子をよろしくね。』って、苦しいはずなのに、綺麗に笑って言ったんだ。そのまま、本当に眠るように息を引き取ってしまった。沙織と沙絵を抱き締めたんだよ。」
「その後、私はどうなったの?」
「僕が抱っこ出来たのはその時の一度だけ…
沙織と結婚していなかったから後は許されず、生まれたばかりの赤ちゃんがいるお部屋に入っていって…
僕はガラス越しに見るしかできなかったんだ。」
「そうだったのね。」
「だから、届け出をして早く沙絵のお父さんにならなきゃってね。
でも、お祖父様に許してもらえず。病院からお祖父様とお祖母様に連れられて沙絵は退院したんだよ。」
沙絵は泣いていた。どう慰めたらいいのかわからなくて、優しく抱き締めた。
「私、生まれてきて良かったのかなぁ…」
「いいに決まってるでしょう。沙絵が生まれてくるのを僕も沙織も楽しみにしていたんだから…」