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写性 …SHASEI…
第22章 紫陽花
あの人は私を沙絵ちゃんと呼ぶ。年の差から仕方ないけど、
あなたと私はお父様を取り合う恋敵なの…

もちろん何も知らないあの人が、優しく私に話し掛けてくるのを、心の中で笑っていた。

仲良くなった分、いつか傷つけばいい。私が、大嫌いなあなたと仲良いふりをしていただけだと知ればいい。

紫陽花の時期は、アトリエには花がない。
お父様は、もう花じゃない題材を見つけたから、要らないのだろうけど…

雨で家に閉じ込められたような感覚。
私は紫陽花と同じようにここでしか生きられないように躾られた体。
梅雨の季節は私の心を蝕み、その空のようにどす黒くどんよりと曇らせていった。



お父様から求めてくることは少なくなっていた。
だから私から誘い、あの部屋でお父様にお仕置きをした。

咎めて何度も空イキさせて、射精をねだらせたり、出しているところを止めて、小出しにして苦しめたり…

ひどくして、強い快楽に溺れさせれば、私のところに戻ってくるかもしれない。

効果はあったと思う。お詫びかお返しか、ひどくして後は一緒に寝ようといってお父様の寝室で優しく抱き締めて寝てくれた。
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