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写性 …SHASEI…
第23章 さるすべりと朝顔
お父様とあの人のことはあまり気にならなくなってきた。

病気さえこじらせなければ、私の方が若い。
私の身体が大人になって、お母様を思い出させるようになれば、またお父様は迷う。そんな風に思うようになっていた。

お父様も、もう気が緩んでいたんだと思う。


鬱陶しい梅雨が明け、初夏が訪れる。
気分は晴れるが、紫陽花に続き、夏の花もあまり好きではない。

一日中咲き続ける朝顔が、私を絵にしてと主張する。
一度しか使わなかった絵の具セットのプレゼント、私は絵を描くことが嫌いになってしまったことを、朝顔は詰る。

私を描いて、一日中咲いて待っているから…

お父様の好きなことを好きになれたら、何か違っていただろうか…

あの人のように、側で一緒に絵を描いていたなら…



そして朝顔の上で紅白の花をつけるさるすべりも嫌いだ。

この花が日陰を作ったから朝顔は一日中咲くのではないかとお父様は言う。

それも嫌いな理由だけど、一つの枝から赤と白の花が咲くのが気味が悪い。

私の好きな白い花だけつければいいのに…

そんなことを思いながら、さるすべりと朝顔を見ていた。


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