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写性 …SHASEI…
第23章 さるすべりと朝顔
カラン…カラン…

玄関のドアが開いて鐘がなる。

ああ、二人で庭を散歩するんだろう。


すると、お父様は外で絵を描くためのパラソルのついたテーブルを運んでいた。
そしてさるすべりの見える位置に来る。
ああ、絵を描くんだ。
そう思って見ていた。

するとあの人がさるすべりの幹に寄り添うように立つ。

花だけじゃなくあの人も描くのね。
見たくないかもしれない。

窓際から離れようとしたら、あの人が首を振って何か拒んでいるようだ。

珍しい…
そう思って見続けると、あの人が項垂れて着物の帯に手を回す。

後ろに作られた御太鼓をほどきハラリと帯が地面に落ちた。

部屋は離れているので声は聞こえないが、きっとお父様が脱ぐように言ったのだろう。

顔を真っ赤にして恥じらいながらも、着物を開き、お父様に見えるように肌を晒す。

庭で裸になるように命令するなんて…
お父様がする仕打ちに私は興奮してきた。

覗き見た訳ではないし、さるすべりを見ていたところに二人で勝手に始めたのだ。
私は堂々と見ていた。


お父様はテーブルについて筆をとる。

外で肌を晒すことに、真っ白だったあの人の肌が赤く染まり、着物を開く手がふるふると震えていた。
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