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第26章 覚醒

｢お父様、それって私のことが大事ってこと？｣

｢そうだよ。｣

｢いずみさんよりも？｣

｢ああ、沙絵、娘として愛しているよ。

いずみは違う種類の愛しているだけど、

娘として愛している方が優先するね。｣

｢よくわからない。いずみさんのことは好きなんでしょう？｣

｢ああ、好きだよ。

沙絵、いずみ以外は考えられない。
いずみのすべてが好きだ。いずみは僕のすべてを受け入れてくれる。
あんな風に愛し合える人にそうそう会えるものじゃない。

たぶん、いずみしかいないんだと思うよ。｣

｢じゃあ、いずみさんのところに行けばいいじゃない。私を置いて…｣

｢だからね。愛の種類が違うんだよ。いずみとは男女の愛、沙絵とは父子の愛、

それにあの人は結婚しているから、いずみが今のご主人より僕と思って来てくれなければ、それ以上どうしようもないんだよ。｣

｢うん…｣

｢それとね。沙絵…
あの日に話したとおり、沙絵とはもうしない。｣

｢どうして？｣

｢血は繋がってなくても、僕たちは親子だからね。そういうことはしないんだよ。

それに、沙絵はまだ小さい。

沙絵が本当に好きな人が現れた時のために大事にしないといけない。

今まで、自分の欲に走ってすまなかった。｣