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写性 …SHASEI…
第27章 葱
「お父様、支度できたわよ。」
「沙絵、暑いんだから帽子を被らないと。」
「はぁい。」
着物しか持たない沙絵にネットで洋服を注文し、約束してから何日かしてやっと出かける準備が整った。
まずは近所で買い物をすることになっているが、沙絵は楽しみで仕方ないようだ。
白いワンピースに白い帽子を被り玄関を出る。
「お父様、鍵を掛けさせて。」
沙絵は家の鍵を嬉しそうにかけた。
庭の花々に行ってきますと声を掛けてスキップしそうな軽い足取りだった。
門をくぐって外に出る。五年ぶりのことだった。
初めて外の世界に出た。
幼稚園に通っていたころも、家の前に送迎バスが来ていたので、
家の外に出ること自体が初めてだった。
「お父様…」
「沙絵、手を繋いで歩こうか。」
夏の暑い日差しの中で歩いている人はほとんどいなかった。
沙絵は無意識なのかもしれないが、車が通る度にビクッとして動きが止まる。
危ないので手を繋ぐことにした。
ショッピングモールでアイスを食べることにしたが、待ち列が出来ているのに、並ばずに注文しようとする。
人とすれ違うのにもビクッとしたり、逆にじっと見すぎたり…
すべてが物珍しいのだろうが…
「沙絵、暑いんだから帽子を被らないと。」
「はぁい。」
着物しか持たない沙絵にネットで洋服を注文し、約束してから何日かしてやっと出かける準備が整った。
まずは近所で買い物をすることになっているが、沙絵は楽しみで仕方ないようだ。
白いワンピースに白い帽子を被り玄関を出る。
「お父様、鍵を掛けさせて。」
沙絵は家の鍵を嬉しそうにかけた。
庭の花々に行ってきますと声を掛けてスキップしそうな軽い足取りだった。
門をくぐって外に出る。五年ぶりのことだった。
初めて外の世界に出た。
幼稚園に通っていたころも、家の前に送迎バスが来ていたので、
家の外に出ること自体が初めてだった。
「お父様…」
「沙絵、手を繋いで歩こうか。」
夏の暑い日差しの中で歩いている人はほとんどいなかった。
沙絵は無意識なのかもしれないが、車が通る度にビクッとして動きが止まる。
危ないので手を繋ぐことにした。
ショッピングモールでアイスを食べることにしたが、待ち列が出来ているのに、並ばずに注文しようとする。
人とすれ違うのにもビクッとしたり、逆にじっと見すぎたり…
すべてが物珍しいのだろうが…