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写性 …SHASEI…
第27章 葱
周りの様子を窺うこともない。あまりにも閉じ込め過ぎたからだ。
「ふぅう…ただいま…疲れたから、少し寝るね。」
小一時間の外出から帰ると、そう言って夕飯まで寝てしまった。
学校に通うなど到底さきのことになるだろう。
少しずつ取り戻せばいい。
そう思っていたが、夜中には突然発作を起こしたのだ。
「おとぅさま…私…普通にはなれないのかなぁ…」
「大丈夫だよ。少しずつ慣れていくよ。」
本当に少しずつ、時間や距離を伸ばしていく。
それだけのことに半年かかってしまった。
発作が収まって沙絵の第一声にまた驚かされる。
「いずみさんに朝顔を届けない?」
「えっ」
「朝顔の絵が完成していないわ。」
「あぁ、そうだけど…
こちらからは行けないよ。」
「玄関の前に置いてくるだけでもいいじゃない。いこうよ。」
いずみのことを忘れてしまったわけではなかった。
いつ来てもいいように、衣装部屋のいずみの着物は、毎日用意していた。
「絵だけは仕上げてもらわなきゃ。」
沙絵に押されて、画材道具をまとめ、描きかけの朝顔の鉢を持つ。
絵を仕上げて欲しいという手紙を添えて…
「ふぅう…ただいま…疲れたから、少し寝るね。」
小一時間の外出から帰ると、そう言って夕飯まで寝てしまった。
学校に通うなど到底さきのことになるだろう。
少しずつ取り戻せばいい。
そう思っていたが、夜中には突然発作を起こしたのだ。
「おとぅさま…私…普通にはなれないのかなぁ…」
「大丈夫だよ。少しずつ慣れていくよ。」
本当に少しずつ、時間や距離を伸ばしていく。
それだけのことに半年かかってしまった。
発作が収まって沙絵の第一声にまた驚かされる。
「いずみさんに朝顔を届けない?」
「えっ」
「朝顔の絵が完成していないわ。」
「あぁ、そうだけど…
こちらからは行けないよ。」
「玄関の前に置いてくるだけでもいいじゃない。いこうよ。」
いずみのことを忘れてしまったわけではなかった。
いつ来てもいいように、衣装部屋のいずみの着物は、毎日用意していた。
「絵だけは仕上げてもらわなきゃ。」
沙絵に押されて、画材道具をまとめ、描きかけの朝顔の鉢を持つ。
絵を仕上げて欲しいという手紙を添えて…