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写性 …SHASEI…
第32章 昇華
沙絵は六年生になってもしょう君と同じクラスになる。学校で配慮してくれたのかもしれないが、一年経っても、しょう君以外の友達が出来ない沙絵には助かった。


そして、今年の誕生日のリクエストは更に大きなものとなった。


「現像を自分でしてみたいの。」

沙絵と一緒に調べていく。暗室やら薬剤、器具など大がかりな準備が必要とわかった。

でも、僕が絵を描くのが好きなように、沙絵の写真への情熱も判る。

一緒に調べながら、使っていない部屋を潰し、現像室を作った。

学校は平均的に時間数を伸ばしていくのでは間に合わないということで、
翌日欠席も覚悟で1日いる日を週に一度決めた。


沙絵の体は敏感に反応して、やはり熱を出す。
そして、どうしてもしょう君以外の男子は苦手らしかった。

沙絵は僕には弱音を吐きたくないのか、なかなか学校の様子を話してくれない。

母親代わりになる人がいてくれればいいのに…

いずみにそれを頼みたかったのに…


僕はその意味でもいずみが戻ってくるのを望んでいた。

「沙絵…今年も呼んでくれてありがとう。」

誕生日パーティーの昼の部は、今年は沙絵が招待状を作ってしょう君に渡した。
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