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写性 …SHASEI…
第32章 昇華
本当に卒業間近になって、やっと学校に普通に通えるようになった。
それはもうShouのおかげとしか言えない。
お父様無しで学校に行くために毎朝迎えに来て、一緒に帰ってくれた。
写真を生きる糧と教えてくれたのも、
黒塀に囲まれた白い世界に色を与えてくれたのも、
紛れもなくShouだったのだ。
「……沙絵さん。」
「はい。」
私は壇上に上がる。
「卒業証書………」
「ありがとうございます。」
私は振り向いて巻物を開く。
「私の将来の夢は、カメラマンになることです。」
拍手が上がる。緊張する足を何とか動かして自席に戻る。
「佐藤 翔君」
「はい。」
大きな声が体育館に響く。
「卒業証書………」
「ありがとうございます。」
振り向いたShouと目が合った。
「俺の将来の夢は、世界で活躍するサッカー選手になることです。」
Shouが言ったあと腕を大きく振り上げた。
あっ…
その手首には、あのリストバンドがはめられていた。
私たちはそれぞれ希望した中学に受かった。
卒業という別れよりも、自分の夢に向かってスタートを切る喜びの方が大きかった。
それはもうShouのおかげとしか言えない。
お父様無しで学校に行くために毎朝迎えに来て、一緒に帰ってくれた。
写真を生きる糧と教えてくれたのも、
黒塀に囲まれた白い世界に色を与えてくれたのも、
紛れもなくShouだったのだ。
「……沙絵さん。」
「はい。」
私は壇上に上がる。
「卒業証書………」
「ありがとうございます。」
私は振り向いて巻物を開く。
「私の将来の夢は、カメラマンになることです。」
拍手が上がる。緊張する足を何とか動かして自席に戻る。
「佐藤 翔君」
「はい。」
大きな声が体育館に響く。
「卒業証書………」
「ありがとうございます。」
振り向いたShouと目が合った。
「俺の将来の夢は、世界で活躍するサッカー選手になることです。」
Shouが言ったあと腕を大きく振り上げた。
あっ…
その手首には、あのリストバンドがはめられていた。
私たちはそれぞれ希望した中学に受かった。
卒業という別れよりも、自分の夢に向かってスタートを切る喜びの方が大きかった。