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写性 …SHASEI…
第33章 花園
入学式は土曜日に行われた。制服に鞄、靴とすべて新しいものに身を包む。
お父様は翌週から一人で通学出来るのか心配なようだった。
「いってきます。」
私はまた桜の木に挨拶をする。
美しい門の番人はいつも私の新しい出発を見守ってくれる。
「沙絵、おめでとう。」
「ありがとう。というか変よお父様。」
「いや、制服姿を見るとね。沙絵が凄く大人びて見えるから。」
電車に数駅乗って、そこから歩く。2年前までなら想像も出来ないことだ。
体育館で入学式を終え、クラス分けのプリントをもらって帰る。今日はそれだけだ。
沙絵と同じ制服の女の子たちが百数十名集まる。
静かな空間、女子校ならではの雰囲気。
さざ波のような話し声が前方のドアが開いた途端にピタリと止まった。
上手くやっていけるのだろうか。
こちらの心配をよそに、沙絵はずいぶんリラックスしていた。
来週からは一人で通う。毎日学校に付き添ってきた僕の卒業式だ。
「お父様、写真撮るわよ。」
沙絵は三脚まで持ってきていて、校内の立派な桜の下で写真を撮った。
手が離れる。僕は寂しく感じていた。
お父様は翌週から一人で通学出来るのか心配なようだった。
「いってきます。」
私はまた桜の木に挨拶をする。
美しい門の番人はいつも私の新しい出発を見守ってくれる。
「沙絵、おめでとう。」
「ありがとう。というか変よお父様。」
「いや、制服姿を見るとね。沙絵が凄く大人びて見えるから。」
電車に数駅乗って、そこから歩く。2年前までなら想像も出来ないことだ。
体育館で入学式を終え、クラス分けのプリントをもらって帰る。今日はそれだけだ。
沙絵と同じ制服の女の子たちが百数十名集まる。
静かな空間、女子校ならではの雰囲気。
さざ波のような話し声が前方のドアが開いた途端にピタリと止まった。
上手くやっていけるのだろうか。
こちらの心配をよそに、沙絵はずいぶんリラックスしていた。
来週からは一人で通う。毎日学校に付き添ってきた僕の卒業式だ。
「お父様、写真撮るわよ。」
沙絵は三脚まで持ってきていて、校内の立派な桜の下で写真を撮った。
手が離れる。僕は寂しく感じていた。