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写性 …SHASEI…
第35章 バレンタインデー
でも、ファンクラブがあって良かったのかもしれない。

チョコには沢山の想いが詰まっていたけど、私はノーマルであることは伝わっていて、
付き合って欲しいなどとしつこく言い寄ってくる子は居なかった。


無法地帯にしてしまったら、それこそ収拾がつかなくなっただろうけど、
おかげで翌年からは、1つの年中行事だと割りきれるようになったのだ。


ホワイトデーのお茶の時間、

「僕も手作りのカップケーキにありつけるなんて…」

「手作りのお菓子が食べたいなら、言ってくれればいいのに…」

「いや、沙絵は勉強や写真で忙しいでしょう。お菓子を作れるってことすら知らなかったし。」

「あ、ああそうね。」

「でも、当分チョコレートは見たくないかな。」

「うふふ。」

「あはは…」

毎日チョコレートを食べるのに付き合ってくれたお父様も、しばらくはこの匂いから離れたいようだった。

カップケーキのお返しに一言ずつメッセージを添えて事務局に委ねる。

最初、一緒に返すのに付き合おうかと思ったけど、
中途半端にいたり居なかったりするわけにはいかないと言われてお願いすることにした。

事務局という仕事を彼女達は楽しんでいるようだった。
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