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写性 …SHASEI…
第35章 バレンタインデー
口のなかで溶けるココアパウターとトリュフが混ざり幸せな気分が広がった。
「美味しいね。沙絵にもらうなんて初めてだね。」
お父様が照れて嬉しそうにしていた。
二人きりの世界。
そこから飛び出して改めてその世界の大事さを知った。
「ところで沙絵、ずいぶん沢山もらってたね。
見せて…」
「は、はい。」
紙袋を出してみる。
皆それぞれに想いを込めてメッセージカードを付けているのだ。
「凄いね。」
「それがね。これで全部じゃないの。事務局の話だと、10分の1らしいのよ。」
「当分お菓子は買わなくて良さそうだね。あははっ
事務局って何?」
「いや、なんでもない。こっちの話。」
お父様にファンクラブがあるなどと言いたくなかったから話を反らした。
同性同士で恋愛感情を持つ人が沢山いるだなんて、学校でそんな中にいるだなんて知られたくなかったから…
「お返しが大変そうだね。」
「うん、とても買って返せないから、カップケーキを焼こうと思って。」
「手作りならもらった子達も喜ぶだろうね。」
それから毎日靴箱と机からの回収、お茶と食後はチョコレート、そしてお返しのカップケーキを焼くまでと続き、我が家は甘い匂いが充満するのだった。
「美味しいね。沙絵にもらうなんて初めてだね。」
お父様が照れて嬉しそうにしていた。
二人きりの世界。
そこから飛び出して改めてその世界の大事さを知った。
「ところで沙絵、ずいぶん沢山もらってたね。
見せて…」
「は、はい。」
紙袋を出してみる。
皆それぞれに想いを込めてメッセージカードを付けているのだ。
「凄いね。」
「それがね。これで全部じゃないの。事務局の話だと、10分の1らしいのよ。」
「当分お菓子は買わなくて良さそうだね。あははっ
事務局って何?」
「いや、なんでもない。こっちの話。」
お父様にファンクラブがあるなどと言いたくなかったから話を反らした。
同性同士で恋愛感情を持つ人が沢山いるだなんて、学校でそんな中にいるだなんて知られたくなかったから…
「お返しが大変そうだね。」
「うん、とても買って返せないから、カップケーキを焼こうと思って。」
「手作りならもらった子達も喜ぶだろうね。」
それから毎日靴箱と机からの回収、お茶と食後はチョコレート、そしてお返しのカップケーキを焼くまでと続き、我が家は甘い匂いが充満するのだった。